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スタンの日記です

「グリーンブック」を観た

いや違うだろう。当時だって今だってアメリカでの黒人差別はこんなもんじゃないだろう。

いくら金持ちで芸術家でも指定された粗末な宿でしか泊まれないぐらいわかりやすければまだいいけど、うわべは上品にふるまってもこころのなかじゃ差別している。そういうことをしきたりとかいって当たり前にしている世界。黒人でゲイのダブルマイノリティーのピアニストの主人公は、事実に基づいて描かれている映画の姿よりもずっとこじらせていたんじゃないかと思う。

 

LGBTだのSTGだのパヤパヤしたこといっている今の日本だって、オレのようにゲイで無職で年をとった男は肩身の狭い思いをしている。住むところもあるし食うに困っているわけではないけれど、毎晩寝る前には睡眠薬を飲まなくては眠れないし、たまに起こるパニックにはワイパックスを飲まなくては過ごせない。

思えばこんなんでよく仕事していたと思う。逆にいうとあの時点で仕事やめてほんとうによかったと思う。自分から言ってきちんと辞められてよかった。正常化バイアスだろうがなんだろうが知ったことではない。

 

映画はクリスマスの抱擁とともに優しく終わる。

黒人主人公の悲しさや孤独は変わらないかもしれない。肌の色による偏見や差別は今だってなくなっていない。でものぞみのあるエンディングでなかったら、オレはちょっと立ち直れなかっただろう。

クリニックの放火も受験生への切りつけも猟銃で立てこもりもやめてくれ。殺伐とした事件はもう勘弁してくれと思っていたんだ。

 

 

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