総武線を使って大学に通学していた35年前から気になってはいた。
両国駅から隅田川を渡るときに、電車の中から国技館の後ろにちらっと塔の先端が見えるのだけれど、途中下車してまで見に行くことはしていなかった。
関東大震災と東京大空襲で焼かれて亡くなった人たちを慰霊するための建築物ということ知ったのはのちのちのことだった。そのことを知ってからは、ふらふらっと物見気分では行ってはいけない気がしていて、ずっと行かなかった。
東京に引越して3年が経ったので、行きそうで行かなかった「東京都慰霊堂」に行ってきた。
横網町(よこあみちょう)公園の中にあって、天気も良く、子供が自転車に乗っていたり、老人がベンチでくつろいでいたりで平和な雰囲気のなかに本堂がある。特別に宗派があるわけではないようだ。
内部は撮影禁止ってわけではないけれど撮らないでおいた。
お線香を立てて手をあわせる。
四谷から来ました〇〇と申します。亡母が猿江で東京大空襲を経験しました。焼きだされてあとは上平井に引越したと聞いています。今の私があるのはその時に母親が焼け死ななかったからです。地震や空襲で焼かれて死ぬのはさぞかし苦しくて悔しいことだったでしょう。ご冥福を祈ります。どうか変わっていく東京を見守っていてください。
中央線の中で考えた言葉を念じた。
気になっていた三重塔はいまは納骨堂になっている。
そして隣の「旧安田庭園」に寄る。(無料)
左から、同愛記念病院、スカイツリー、安田学園、三重塔のさきっぽ、知らないマンション。手前の池には鯉と亀がいる。
安田財閥出身の富士銀行が持っている千駄ヶ谷にある福利厚生施設の屋内プールの監視員アルバイトを大学時代にしていた。その建物はひっそり今でも津田塾大学の隣にあるけど、芙蓉グループもなくなったし、どこかに売られてしまっているのだろう。
夏場所が始まっている。