あの震災から2年が経つ。
宮城県女川出身のベテランさんがこの前言った。
「最近テレビで震災復興支援の番組が増えてきたけど、そんなの毎日やれよー!
思い出したように支援とか言っちゃって…毎日ずっとやれよー!」
返す言葉が無かった。
家族を亡くした人の正直な気持ちだとは思うけど、なんだか気持ちがザラっとなった。
「千葉に住んでいるオレだって被災者だよ」
たしかに震災直後のことを毎日思い出すことはなくなった。
でも、計画停電で真っ暗な中、懐中電灯でひとりでおにぎりを食べたこととか
食べ物がスーパーやコンビニから無くなって、買占め騒ぎがあったことを覚えている。
電気がつかなくても、水が出なくても、交通機関が混乱しても、普段どおりに通勤して、普段どおりに仕事をしたことも覚えている。
テレビやネットでの被災の状況はなるべく見ないようにしていたことも覚えている。
当時の取り囲むつらい環境のなかで自分が生きることに精一杯で、東北地方の被災された人の惨事を聞いたり目にしたりが出来なかったんだ。
まずは自分がしっかりすることが大切、心が折れてしまわないようにちゃんと食べてちゃんと寝ること。だいじょうぶだから落ち着いてとにかく仕事に向かうこと。
一緒に住む家族の居ないオレはオレ自身にそう言ってやりすごしていた。
東北出身のあなたは赤の他人だけど
あなたの父上が津波でなくなったと聞けば、心が痛む。
この忙しい時季に5日間の有給休暇で帰省することにも喜んで協力。
あなたの住まいはいま東京だもの。
比べてみることに意味は無いけど、福島で避難所暮らしをまだしている人だっている。
当然東北の復興を継続することは必要。
オレは自分の暮らしをより良く生きようとすること。
だからといってあのことを忘れてしまったわけじゃない。